何かを理解するということは、線を引いて分類するプロセスなので、分類を通じた認識・理解を超越する、つまり仏教でいう「悟り」の境地に達しない限り、線引きそのものは知る努力と同義です。問題は線の引き方です。 takenori | 2025年6月30日
10万年前の地球には、少なくとも六つの異なるヒトの種が暮らしていた。複数の種が存在した過去ではなく、私たちしかいない現在が特異なのであり、ことによると、私たちが犯した罪の証なのかもしれない。 takenori | 2025年6月17日
何よりも、博識になるということは自分の知識に満足していないということであり、そういう不満があると、プラトン性だの五分間マネジャーがする単純化だの、専門バカの学者の俗物根性だのに陥りにくい。 takenori | 2025年6月15日
ところでなぜこのごろトリックスターが注目されるかというと、管理社会というものに対するアンチテーゼですね。ちょっと変わったのがいないと、やっぱり面白くないわけでしょう、組織というのは。 takenori | 2025年6月15日
ユング研究所で、「相手をどこか好きにならなかったらみるな」とよく言われました。それが一番名言かもしれません。どんな人でも、どこか好きになったらいいけど、どこも好きでない限りはみてはならない。 takenori | 2025年6月15日
イングランドでは、囲い込みによって生まれた大勢の「貧民」や「放浪者」を表わす「貧困」(poverty)という言葉が普及した。この時代以前には、書物に登場することはあっても、日常ではめったに使われなかった言葉だ。 takenori | 2025年3月7日
もしかすると日本社会というのは、きちんとまじめに「作業」に従事してくれる大多数の「従業員」たちによって、かろうじて支えられてきた社会だったのではないでしょうか。 takenori | 2025年3月7日
市場と取引は資本主義が始まる数千年前から存在し、それらに罪はない。資本主義が歴史上の他の経済システムの大半と異なるのは、それが絶え間ない拡大、すなわち「成長」の要求を中心として組織されているからだ。 takenori | 2025年3月6日
人類はそのような惑星で暮らしたことがない。2003年にヨーロッパを襲った恐ろしい熱波は普通の夏になるだろう。スペイン、イタリア、ギリシャは地中海気候ではなくなり、サハラ砂漠のようになる。中東は恒常的な干ばつに陥るはずだ。 takenori | 2025年3月6日
失敗した戦法、戦術、戦略を分析し、その改善策を探求し、それを組織の他の部分へも伝播していくということは驚くほど実行されなかった。これは物事を科学的、客観的に見るという基本的姿勢が決定的に欠けていたことを意味する。 takenori | 2025年3月6日
陸海軍の間では、「相互の中枢における長年の対立関係が根底にあって、おのおの面子を重んじ、弱音を吐くことを抑制し、一方が撤退の意思表示をするまでは、他方は絶対にその態度を見せまいとする傾向が顕著であった」。 takenori | 2025年2月23日
また生き残った部隊長のある者は、独断で陣地を放棄して後退したとしてきびしく非難され、自決を強要された。日本軍は生き残ることを怯懦とみなし、高価な体験をその後に生かす道を自ら閉ざしてしまった。 takenori | 2025年2月21日
ソ連軍の弾薬集積量は日本軍と比較にならず、日本軍が一度砲撃すると、ソ連軍はその何倍もの砲弾を日本軍の上に浴びせたために、八月に入ると日本軍歩兵は砲兵に、なるべく撃たないでくれ、と頼んだといわれている。 takenori | 2025年2月21日
(中略)用語の抽象度の差異は知的能力に左右されるものではなく、一民族社会の中に含まれる個別社会のそれぞれが、細部の事実に対して示す関心の差によってきまるのである。 takenori | 2025年2月18日
パワー・オーバーは代償をともなうため、力としてはきわめて脆弱なものです。ある研究によれば、会社であれ、家庭であれ、学校であれ、この支配的な戦術を使う組織は、意欲の低下、暴力、システムに対する見えない反発といった形で間接的に代償を払っています。 takenori | 2025年2月16日
私たちは、何が正しいかよりも何が間違っているかをずっと多く知っている。(中略)否定的な知識のほうが、肯定的な知識よりも、間違いに対して頑健だ。つまり、知識は足し算よりも引き算で増えていくのだ。 takenori | 2025年1月21日
すなわち、改革者のうちの誰の場合にも倫理的な改革綱領などといったものは決して中心問題となっていなかった。(中略)彼らの生涯と事業の中心は魂の救済であり、それ以外にはなかった。 takenori | 2025年1月8日
私たちがこうして現世にいきているのは、「耐久性」とかいう軟弱な概念のおかげではない。もっといえば、議員さんたちのおかげでもない。一部の人たちが貪欲にリスクを冒し、失敗を繰り返してきたおかげなのだ。 takenori | 2025年1月3日
わたしたちがいま直面しているのは、国民の望みが政府に取り上げられないというより、むしろ、国民が本当になにを望んでいるのか、もはやだれにも(もしかしたら国民自身にも)わからないという深刻な事態である。 takenori | 2025年1月1日
一般意志は政府の意思ではない。個人の意思の総和でもない。そして単なる理念でもない。一般意志は数学的存在である。もしもルソーのテクストをそのように解釈してよいのならば、わたしたちはここから、民主主義のありかたを原理的に考えなおすことができる。 takenori | 2024年12月26日
集合知の手法の擁護者によれば、特定の要件さえ満たすならば、専門的な判断が要求される問題に関しても、少数の専門家よりも多数のアマチュアのほうが原理的に正しい判断を下すことができるらしい。 takenori | 2024年12月26日
すなわち、それらの人々の教育によって得られた精神的特性、とくにこの場合は故郷や両親の宗教的雰囲気によって制約された教育の方向が、職業の選択とその後における職業上の運命を決定している。 takenori | 2024年12月24日
捜索に使う地図は米軍のグリッドで、土を掘るのに使うのは日本軍のスコップ。この21世紀において、戦時中の物品を使って遺骨収集が進められることは、僕が現地で驚いたことの一つだった。 takenori | 2023年8月7日
どうやら日本という国は、何か抗えない力のため、社会がいったん御破算となってからの再建には長けているようです。しかし、途中で気づいて変えるということはあまりない。 takenori | 2023年8月7日